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カーペットの基礎知識

足どりが軽やかになる床材。

歩行の衝撃を柔らかく吸収

アスファルトや石畳などの硬い道路を歩き続けると足が とても疲れますが、土や芝生など柔らかい地面の上だと 足どりが軽やかになり、気分も浮き浮きします。

これと同じ現象が床材でもみられます。

歩行による疲労度の大小は床材の硬さと深く 関係しており、硬い床材は歩行の衝撃がそのまま人体に 伝わるため、疲れやすくなるのに対して、 〈せんい〉のかたまりであるカーペットには 適度な柔らかさがあり、歩行の衝撃をクッションのように 吸収するため、長時間歩き続けても疲れが たまりにくいのです。

床材の硬軟度を「柔らかさ指数」という物理量で測定し、 その指数と人間が実際に歩いたり、 立ち止まったりした時の快適感ならびに 疲労感の関係を調べて、同指数の最適範囲を求めたところ、 カーペットは素足やスリッパで歩行する住宅用の 床材としても、また土足で歩行する公共建物用の床材と しても最適の指数を備えていることが証明されました (東京工大·小野研究室調べ)。

長時間歩いても疲れない

床材の上を歩行した時の心臓への負担を調べることに よって、床材別の生理的疲労度を比較した実験データ
もあります(出所:日本木材学会編「住まいと木材」海青社、1990年発行)。

この実験は、各種床材の上を人間が歩き回り、
1步行闇始直前、
2.步行開始5分後、
3.同30分後の三時点における心拍数と心拍間隔変動 を測定し、歩行開始5分後と同30分後の変化率の 差をそれぞれ求めることによって、床材別の疲労度を 調べたものです。心拍数については、歩き始めてから 30分後の増加率と歩行開始5分後の増加率の差が 小さいほど、疲労しにくい床材であることを 意味しますが、測定した4種類の床材の中で増加率の 差が最小だったのはカーペット (増加率の差1.9) で あり、最も疲れにくい床材であることが生理学的にも 実証されました(以下、木質フローリング=2.5、 塩ビタイル=29、コンクリート=46の順)。 下記の図に見られるように心拍数に於いては、 カーペットは他の床材と比較して 歩行初期必ずしも負担が少ないとはいえませんが、 30分後の疲労ということでは 最も疲労が少ないですし、心拍間隔変動についても、 疲労という意味において負担が増すどころか 逆に初期の負担が軽減されています。

目にやさしい照明効果

カーペットは足が疲れにくいだけでなく、 目の疲労も少ない床材です。 蛍光灯などの光がツルツルの床面に反射して ギラついていると、目が疲れてきて、仕事の能率も 落ちてきます。しかしながら、今回測定した 床材のみについて言えば、カーペットは他の 床材に比べ表面のぎらつきが非常に少ない (輝度値が低い)ので、ソフトな照明効果が得られ、 目の疲れを軽減できます。しかも光源の照度を 極度に減少することもないので、経済的で明るい 視環境を作ります。 まさにカーペットは、快適な照明環境作りの 一助となる理想的な床材と言えます。

あたたかい床材

保温効果が高い床材

空気はもっとも優れた断熱材であり、 これを多く含む物質は保温性が高いといえます。 細い〈せんい〉の集合体である織物は、
〈せんい〉と〈せんい〉の間に多くの空気を保持するため、
もともと保温性に優れているのですが、 カーペットの場合は厚手の織物組織に加えて パイルという立毛があり、3次元の立体構造になって いるため、空気をたっぷりと含んでいます。 このため、カーペットの保温効果は、数ある床材の 中でも飛び抜けて優れており、冷暖房に要する 工ネルギー消費を大幅に節約することができるのです。 また、冬場など室内が冷えきっている時に、素足で 硬質床材の上を歩くとヒヤッとして身震いすることが あります。靴を履いていても、硬質床材の上で長時間 すごすと、足元からジワジワと冷えてくることがあります。
硬質床材は一般的に熱伝導率が高く、熱をよく伝えるため、
素足や靴から熱を素早く奪う結果、足が冷えきって しまうのです。 空気を多く含むカーペットは、硬質床材よりも はるかに熱伝導率が低いため、急速に熱を奪うような ことはなく、寒い時に素足で触れても冷たさを感じる ことがないのです。
 >- #ffff;#Kcal/mh 0 カーペット O.O53 置 0.093 木 0.11 コンクリート 1.3 大理石 2.4

床材の種類 熱伝導率(Kcal/mh℃)
カーペット 0.059
0.093
0.11
コンクリート 1.3
大理石 2.4

 各種の床材に人体を接触させてみて、その冷たさを 計測しての大ると、接触した瞬間に床材が熱を吸収する 最大速度の値はカーペットが最小であることがわかりました。 硬質床材の値はいずれも相当に大きく、 クッションフロアがカーペットの約3倍、 木質床が5〜6倍、塩ビタイルは10倍以上の値を示し ました。このことはカーペットが人体の熱を奪いにくい床材、 つまり温かい床材であることを意味しています。 これは人間による官能検査の結果とも一致しました。 また、接触後、時間の経過にともなう熱移動の実験でも、 カーペットがもっとも人体の熱を奪わない床材である ことが確かめられました。 保温特性についても、カーペットが硬質床材と 大差のある優位性を示すことが実証されました。
 

静かな暮らしを守る床材。

騒音は暴力である。

騒音は暴力です。 都会は騒音に満ちており、せめて家の中ぐらいは 静かであってほしいと願うものの、 そう簡単に騒音のストレスから逃れられないのが 現代人の悩みです。
とくに集合住宅では、木質床の採用が増えるにつれて、
騒音トラブルが社会問題化していることはご承知の とおりです。 静かな生活環境をつくるには、屋外の音が室内に 侵入するのを防ぐことのほかに、室内で発生する音を 小さくし、その音が隣接する部屋に伝わらないように 工夫する必要があります。 歩くことで生ずる歩行音やモノを落としたり 飛び跳ねたりしたときの落下衝撃音、それに 椅子などを動かしたときの擦過音など、 床面で発生する騒音は少なくありません。 したがって、室内の騒音を小さくするには、 床材そのものが優れた防音性能を備えていなくては なりません。 カーペットは「発音性」「衝撃音に対する遮断性」 「吸音性」のいずれの防音性能についても 優れた床材であることが各種の実験によって 科学的に証明されておりますので、 その実験データを列挙します。

騒音を出さない床材

無響室内で、タッピングマシンを用いて床材を トントンと叩き、各種床材ごとに発生した音の大きさを 測定した結果、カーペットを叩いた時の音の大きさは 硬質床材(塩ビタイル、木質床、クッションフロア) を 叩いた時に比べて 10〜15dB (デシベル=音の大きさの単位) も 小さいことが判明しました。

床材の種類 発音性の測定値(dB)
カーペット+アンダーフェルト 68~72
カーペットのみ 72~75
72~73
クッションフロア 84~85
木質フローリング 85~86
塩ビタイル 85~86

 通常、音が10dB大きくなると 人間の耳には2倍の大きさに感じるところから、 床材を硬質系の床材からカーペットに替えると床面で 発生する音の大きさが半分以下に激減し、 とても静かになることがわかったことになります。 その逆のケース、つまり、カーペットを取り払って 硬質床材に張り替えた場合は、 床面で発生する音が2倍以上もうるさくなる、 ということでもあります。

騒音を伝えない床材

建物の2階床面(コンクリート)上に置いた各種の 床材をタッピングマシンで叩き、その音を階下の 騒音計で測定、コンクリート床を直接叩いた時に比べて、 各床材を敷設した場合に階下に響く音がそれぞれ どれだけ緩和されるかを調べたところ、 次のことがわかりました。

床材名 遮音等級  
ウールカット+アンダーフェルト L-35 衝撃音を遮断する最も効果的な床材はアンダーフェルト併用のカーペットであり、遮音等級(L値)は35~40。この値は、階上で子供が走り回っても階下では静寂時に聞こえる程度であり、椅子の移動音や物の落下音などはほどんど伝わらないことを意味します。
アクリルカット+アンダーフェルト L-35
ウールループ+アンダーフェルト L-40
ウールカット L-45 アンダーフエルトを併用しないカーペットのL値は45~50であり、こチは階上の足音が階下でほとんど気にならない状態にまで遮断できることを示し、建 築学会が集合住宅における好ましいし遮音性能として推奨する1級に相当します。
ウールループ L-50
L-50 畳のL値は50であり、ァンダーフェルトを併用しないカーペットと 同程度の床衝撃音遮断性能を備えています。
フローリング L-65 木質床や塩ビタイル等の硬質床材のL値は65~70であり、上

また、「吸音性」についても、カーペットは
すべての周波数において、硬質床材よりも吸音率が高いことが判明しました。 英国の建設省は、床部分で発生する大半の衝撃音は、 床をカーペット敷きにすることによって 解消するという調査報告書を公表しています。 繰り返しますが、騒音は暴力です。 カーペットは、住空間の騒音暴力をなくす、 もっとも効果的な防音床材なのです。

滑りにくい安全床材

転ばぬ先のカーペット

床材として、もっとも重要な機能のひとつが安全性です。 ここでいう安全性とは、人がすべりにくい床材かどうか、 あるいは、転倒した時の衝撃が少ない床材かどうかと いうことを意味します。 家庭内事故でもっとも多いのは転倒による事故です。 転倒には、床面でつまづく場合とすべる場合とがありますが、 すべった場合は仰向けに倒れて頭部を強打することが 多いので、とくに危険です。このため、とくに高齢者や 妊婦のいる家庭ではすべりにくい床材を選ぶことが 肝要であり、取り返しのつかない事故を未然に 防がねばなりません。 床材の物性を研究している東京工業大学の小野研究室では、 人がすべりやすい床かどうかを判別する目安として、 実験データに基づいた「すべり指数」を設定しています。 「すべり指数」が大きい床材ほどすべりやすく、 指数が小さいほどすべりにくい、というわけです。 それによると、床材ごとの「すべり指数」は次のとおりです。

床材の種類 すべり指数
カーペット 20
塩ビタイル 25
磁器タイル(モザイク) 38
木質フローリング 41

 木質床材に比べて「すべり指数」が半分以下の カーペットは、それだけすべりにくく、安全性が高い というわけです。 - 床面が水で濡れた場合はどうでしょうか。
一般に床材は水で濡れるとすべりやすくなりますが、乾燥時に比べてどれだけすべりやすくなるかを 測定したところ、カーペットは水に濡れても 「すべり指数」が8%しか増えないのに対して、 木質フ口ーリングは69%、塩ビタイルは100%、 塩ビシートは223%もそれぞれ指数が増加しました。 カーペットは水に濡れてもすべりにくい床材であるのに 対して、硬質床材はもともとすべりやすい上に、水に濡れ るとその危険性が倍加する、というわけです。

転倒時の衝撃をやさしく吸収

すべりやすい床では転びやすく、すべりにくい床では 転びにくいというのは自明の理ですが、 人は時としてすべりにくい床の上でも転倒することが あります。そこで、転倒しても安全な床材なのかどうか ということが気になりますが、日本カーペット工業組 合は、その目安として、JIS (日本工業規格)に 定められている「転倒衝突時の床のかたさの試験法」 に基づいて、各種床材の転倒時の衝撃力を調べました。 測定結果は次のとおりです。 (数値が小さいほど衝撃力が弱く、人体にとって安全 性が高い床材であることを示します)。

 床材の種類 転倒時の衝撃力
47
カーペット+アンダーフェルト 82
カーペットのみ 108
タイルカーペット 109
クッションフロア 116
塩ビタイル 142
木製フローリング 143
コンクリート床 170

この結果、畳は衝撃に対してきわめて安全性の高い 床材であることがわかりました。 また、カーペットは硬質床材よりもはるかに高い 安全性を示し、アンダーフェルトを併用すると 安全性がさらに向上することが確かめられました。 同工業組合では、床材の上から湯香み茶硫を 落下させるという、とてもわかりやすい方式の 器物破損実験も行ないました。 その結果、塩ビタイルの場合だと、わずか40cmの 高さから落としただけでも茶硫10個のうち 9個が割れて、残る1個にもひびが入ったのに対し、 カーペットは240cmの高さから落下させても、 割れたり、ひびのはいった茶硫はひとつも ありませんでした。 カーペットがいかに衝撃吸収性に優れた 床材であるかがおわかりいただけたことでしよう。 カーペットは柔らかい〈せんい〉で出来ているため、 たとえ転んでもダメージが少なくてすむのです。

カーペットは《せんい》製品。

人にやさしい〈せんい〉

ヒトは〈せんい〉が大好きです。生まれてからこのかた、 ヒトは〈せんい〉に身を包まれて生きてきました。 赤ちゃんの産着(うぶぎ)にはじまり、幼年時代、 少年少女の時代、そして、青春時代を経て、成人した あとも、身につけてきた衣料は下着も外衣も すべて〈せんい〉でした。 そして、これからもアナタの体は〈せんい〉が 守ってくれるのです。寝具もすべてくせんい〉です。 ヒトに安らかな眠りをもたらせてくれる 素材はくせんい〉以外に見当たりません ヒトはなぜ〈せんい〉が好きなのでしょうか。 ヒトはなぜ〈せんい〉だと安心するのでしょうか。 それは〈せんい〉がヒトにやさしいからです。

カーペットは〈せんい〉の床材

カーペットは〈せんい〉でつくった床材であり、敷物です。 ヒトにやさしい〈せんい〉をたばねて無数のパイルをつくり、 美しく、かつ快適であるようにと願って、 精魂こめて織りあげた床敷物がカーペットなのです。 衣服が肌にやさしく、あたたかいように、寝具が柔らかで、 あたたかいように、カーペットもまたソフトで、 ヒトにあたたかい〈せんい〉製品なのです。 やさしさナンバーワンの素材〈せんい〉でつくった床材が カーペットであり、あたたかさナンバーワンの素材で つくった敷物がカーペットなのです。 ファッション性ナンバーワンの素材〈せんい〉でつくった 床材がカーペットだということもできるでしようし、 快適性ナンバーワンの素材でつくった敷物が カーペットだと断言することもできるでしょう。

3000年もの歴史

カーペットの歴史は3千年もの昔にまでさかのぼることが できます。日本がまだ縄文時代の頃、ペルシャじゅうたんの 生産地として知られる、現在のイランあたりに「パイルのあ るカーペット」が発祥しました。 そして、このペルシャの手づくりの力ーペット(だんつう) 技法がシルクロードを経てインドや中国に伝わり、 十字軍のたび重なる遠征などを経てヨーロッパ諸国にも 伝わったのです。手づくりだったカーペットを機械でつくる ようになったのは18世紀のヨーロッパであり、 産業革命の進展とともにウイルトンやアキスミンスター などの近代的な機械織り力一ペットが生み出されました。 現在もっとも普及している量産型のタフテッドカーペットは アメリカで開発され、合成繊維の登場などとあいまって、 1950年代以降に飛躍的な発展をみたのです。

多様とかつ最大消費量の床材

カーペットは現在、実に多くの市場で採用されています。もっとも多いのはホームマーケット(家庭用市場)です。 玄関マットや水回りマット、ラグ、ピース物、簡易敷物、 ホットカーペット、そして、部屋全体に敷きつめる 口ール物カーペットにいたるまで、実に多種多様な カーペットが家庭市場で使われています。 次いで多いのがコントラクトマーケット(業務用市場)です。 ホテル、劇場、レストラン、オフィス、学校、図書館、公共施設、 病院、老人ホーム、百貨店、ゴルフ場のクラブハウス、 ドーム球場、テ二ス二ロートなど、数え上げればきりが ありません。三番目は交通機関です。乗用車、旅客機 JRのグリーン車、私鉄の特急、客船などの乗り物にも カーペットが敷かれています。 床材には実に多くの種類がありますが、アメリカでも ヨーロッパでも消費量がもっとも多い床材は カーペットであり、他の床材を大きくリードしています。 そして、日本でも年間消費量が最多の床材は カーペットなのです。
 
 
 

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